

















そこからでした。
それまでは甘えん坊ながらも、どこかまだ不安げで、寂しげで、それでいて目ヂカラがきつくギラッとした鋭いまなざしを持っていただけのものが、それに合わせてさまざまな明るく穏やかで優しいまなざしに変わっていったのと表情が柔らかくなっていったのは・・・。
甘えん坊は娘の「のこ」に譲って、とても気丈で、子ども想いで、本当に心優しい「くろかあさん」になってくれました。性格もしぐさもこの頃から本当にとても明るく、そして優しくなりました。
もちろん母性というものが彼女の中に具わったこともあるでしょうが、自分自身の本当の家族ができたことで、名実ともに彼女自身もまた我が家の娘になったと思ったのでしょう。
私もまたそれまでは彼女のことは、ひとりの家族として考えつつもまだまだ「ワン」という意識が強かったですが、この頃から一人の「娘」「妹」そして「恋人」という意識が強くなってきました。







そんなことであっても彼女は、自分に守るべき家族ができたことによって、自分なりに親と子の幸せとその家庭での温かさを見出してくれたと思います。
それからはさまざまに明るく、楽しそうで、そして愛おしい表情を見せてくれました。














































犬は笑わない、犬は表情が表わせない・・・そんなことをいう人もいるけれど、
ボールを取るのに失敗して転べばビックリした顔をし、走っているときは清々しい顔をし、
ボールを見れば嬉しそうに、日向ぼっこしているときは気持ち良さそうに、ウトウトしているときは本当に心地よさそうに、
何より、私に対し、家族に対し、お友だちに対し
甘える顔、ねだる顔、嫌な顔、寂しい顔、楽しい顔、眠たい顔、安心している顔・・・
おまえはいつも純真に心からみんなを愛する顔に変わっていきましたね。
だから・・・
しかし、そのペットショップのオーナーは、ほかの子たちのことはいとも簡単に私との約束を反故にし、「今はダックスは売れない!!一匹5千円で、しかもウェスティーを一匹ウチから別で用意してそれに付けたぐらいだ!」と、まるで逆ギレにヤクザかキチガイのごとく言い放ち、私はおろかショップのオーナーすら行方が分からなくなるほどに遠い、東京のペットショップに彼女の子どもたちを勝手に転売していました。
しかも、お産を終えて帰ってきた彼女は、栄養状態がしっかり行き届いていない中で妊娠出産をさせられたせいか、それまで5キロ以上にまでさせてた体重が4キロ弱にまでやせ細り、歯は真っ黄色になるまで、また毛質はそれまで本当に艶やかな毛をしていたものが、パサパサでボロボロに。。。
これが日本愛玩動物協会の理事まで務め、また自らのところで動物用サプリメントまで開発、動物病院にまで販売するほどのショップオーナー、店のやることか!!と私は憤慨し、そのため、私はこのペットショップとは直ちに縁を切りました。

我が家に来て数か月は、表情もあまり豊かではなく、引っ込み思案で甘えん坊で、ごはんやオヤツも小食でほんと、一粒食べては休憩をし、また少し食べては食べるのをやめてしまう・・・。でも、ボールで遊ぶのが大好きで、走るのが大好きで、元気なのはとっても!!元気な子でしたが、1歳を過ぎたときでも体重3.5kgにもぜんぜん満たない、カニンヘンの子と見まがうほど華奢で細い細い小さな娘でした。
その後、1歳半を過ぎたとき、フードやトイレシート、おもちゃなどを買うのにそのペットショップに通っているとき、そのペットショップから子どもを産ますことをお願いされ、私自身も、タダで引き取った負い目と言うのか、そのことから嫌とは言えず・・・。しかし、私からのお願いとして「相手はダックスであること」「生まれた子はショップオーナーの目の届く範囲の方にお譲りすること」を条件にしぶしぶ子どもを産ますことに承諾しました。
しかし、そのショップオーナーはいきなり私との約束を反故にし、お産の相手に最初に選んできた子は折からのMix犬ブームだったせいかチワワでした。私は「それはやめてほしい」と断りました。そして次に選んできた子は、お産の相手には全く適さないような、尻尾曲りで臍ヘルニアを持った遺伝的欠点のあるダックスでした。
ただ・・・私としては、くろを譲ってもらったという負い目から、その相手のダックスを断ることができませんでした。

