・生のマメにはご注意!

マメ科に毒性が含まれていることは意外と知られていませんが、アズキ(小豆)やダイズ(大豆)、ソラマメ(そら豆)やエンドウマメ(エンドウ豆)などマメ類の多くには、特に『サポニン』や『レクチン』という物質が含まれています。



『サポニン』には、抗ガン作用やコレステロール低下作用、免疫ふかつ作用(物質の機能や作用を活発化すること)などのさまざまな健康増進作用の可能性が示唆されているほか、界面活性作用を利用した去痰薬など漢方薬としてもたいへん有用ですが、その一方で界面活性剤には細胞膜を破壊する性質や、血液に入った場合には赤血球を破壊(溶血作用)したり、水に溶かすと水生動物のエラの表面を傷つけることから魚毒性を発揮するものもあります。

サポニンはマメ科植物に存在していますが、特にダイズには豊富に含まれています。ダイズには乾燥重量として6%、ソラマメには3.7%、ヒヨコマメに3.6%、エンドウマメに2.5%のサポニンが含まれています。また、朝鮮人参や甘草にも含まれています。サポニンは苦味を呈し、またある種の溶血作用をもつサポニンを摂ることは、その量によっては致死的であり、そのためサポニンは長年“毒物”としてみなされてきました。ただし、サポニンの毒性はその種類にもよるようで、ダイズに含まれるサポニンには「人に対する毒性はみられない」とされる説もありますが、長年にわたるその加工食品(豆腐や納豆、煮豆など)としてのその地位を考えると、やはり生食ではある程度の毒性は考慮しなければならないのかもしれません。


また『レクチン』では、免疫系を強化したり活性化したりするという有用な一面がある一方、マメ科に含まれているレクチンの一種『フィトヘマグルチニン』では、下痢や嘔吐といった症状を比較的簡単に引き起こすとされています。2006年5月6日、TBSテレビで放送された『ぴーかんバディ!』で、白インゲン豆を3分間炒ってから粉にして、ご飯にまぶして食べるダイエット法を紹介したところ、激しい嘔吐や下痢などの健康被害が全国で発生したのも、この『フィトヘマグルチニン』が作用したからではないかといわれています。

なお、大豆などがイヌ・ネコでは「消化に悪い」などその食性の問題については、植物毒とはまた別のお話ですので、こちらではそのお話は割愛させていただきます。



マメ科の植物の茎や葉などでの誤食は論外ですが、マメ類自体はイヌやネコの食事においてもその栄養価はとても有用です。


『サポニン』はその毒性も含め水溶性のため、また『レクチン』は加熱することによってその性質や毒性が変化するため、しっかり水煮し茹でこぼし、さらにその茹で汁は捨てることをお勧めいたします。


マメ科の植物の誤食はもちろんのこと、冗談半分でイヌやネコに生マメを齧らせるなんてことは、決してしないようにしてください。